クラウドワークスで案件に応募すると、「NDA(秘密保持契約)を結んでください」と言われることがあります。
「契約書って難しそう」「何かリスクがあるのでは?」と不安に思う人も多いでしょう。
NDAはクライアントの情報を保護するための契約ですが、ワーカーにとっても「契約相手が明確になる」「ルールが整理される」といった安心材料にもなります。内容を理解しておけば、余計な不安を抱かずに仕事に集中できるはずです。
この記事では、クラウドワークスでのNDA締結の流れや注意点、よくある疑問について初心者向けに解説します。
NDA(秘密保持契約)とは?初心者でも安心の3つのポイント
まずはNDA(秘密保持契約)という契約自体の内容のなかで、ここだけは抑えてほしい3つのポイントについて解説します。このポイントを押さえておくと、NDAについての理解が大きく向上するでしょう。
NDA(秘密保持契約)って何?お仕事の秘密を守るお約束のこと
NDA(秘密保持契約)は、「Non-Disclosure Agreement」の頭文字を取った略語で、ビジネスシーンでは一般的に使われます。簡単に言うと「お仕事で知った秘密は、漏らしません」というお約束です。
在宅ワークを始めると「NDAを結んでくださいね」と言われることがよくあります。あなたとクライアントがお互いを信頼するために必要な、とても大切な約束なんです。
「NDAって意味ないんじゃない?」と思う方もいるかもしれませんが、実際には以下のような重要な意味があります。
- 法的な拘束力を持つ正式な契約
- お互いの信頼関係を築く基盤
- 情報漏洩リスクを最小化する仕組み
- プロフェッショナルとしての責任を明確化
どんな情報を秘密にするの?クライアントの大切な財産のこと
クライアントが「これは秘密にしてね」とお願いする情報には、こんなものがあります。
- 売上のデータ
- 新しい商品の情報
- お客様の個人情報
- 会社のノウハウや技術
- マーケティング戦略
- 社内資料 など
なぜ秘密にしてほしいのかというと、これらの情報は、クライアントにとって大切な財産だからです。
たとえば、競合他社に情報が漏れてしまったら、場合によってはクライアントの損失につながることがあります。また、お客様の個人情報が外に漏れると、クライアントの社会的な信用は大きく損なわれる可能性もあるでしょう。
だからこそ、一緒にお仕事をする人には「大切に守ってほしい」とお願いしているのです。理由を知ると「なるほど、それなら守らないと!」という気持ちになりますよね。
守るべき3つの約束事
NDA(秘密保持契約)を守るためには、まずは以下の3つがあげられます。普段の生活で「人の秘密は言わない」のと同じように守っていきましょう。
1. SNSに仕事の内容を投稿しない TwitterやInstagram、Facebookなどに「今日はこんなお仕事をしました」と詳しく書くのは控えましょう。
2. 家族や友人にも詳しい話はしない 「今日どんなお仕事したの?」と聞かれても、「パソコンでお仕事したよ」程度にとどめておきましょう。
3. 業務終了後は適切にデータを処理する プロジェクト終了後は可能な範囲で、安全に処理しましょう。
初めてNDAを結ぶときは誰でも「本当に大丈夫かな…?」と心配になります。でも、この3つのポイントを知っておくだけで、初心者の方でも安心してお仕事を始められますよ。
クラウドワークスとのNDA締結のやり方【簡単3ステップで完了】
クラウドワークスでは、個別のクライアントさんとNDAを結ぶだけでなく、クラウドワークス自体ともNDAを結ぶことができます。
クラウドワークスとNDA締結すると、特別な案件にも応募できるようになる
クラウドワークスとNDAを結ぶと、いつもの案件に加えて「NDAオプション」が付いた特別な非公開案件にも応募できるようになります。
なぜかというと、NDAを結んだワーカーさんは「秘密をきちんと守ってくれる人」として信頼が得られやすくなるからです。クライアントやクラウドワークスからも「この人なら安心」と思ってもらえ、より責任のあるお仕事を任せてもらえる可能性が高まります。
ちょっと整理してみましょう
- クラウドワークスとのNDA:サイト全体で使える共通のルール
- 個別のクライアントとのNDA:その案件だけの特別なルール
この2つは全く別物なので、混同しないよう注意してくださいね。詳しい説明は、クラウドワークスの公式ヘルプで確認できます。
クラウドワークスとのNDA締結は簡単3ステップ
手続きはとても簡単です。たった3つのステップで完了します。
ステップ1:プロフィール編集画面を開く
マイページからプロフィール編集画面に移動します。
ステップ2:契約内容をしっかり確認
契約の内容を丁寧に読んで、理解できているか確認しましょう。
ステップ3:「NDAを締結する」ボタンをクリック
内容に納得できたら、ボタンを押して完了です。
クラウドワークスとNDA締結を行ったワーカーは、プロフィールページの左側にあるアイコンの下に「NDA締結済み」と表示されます。
⚠️ 大切な注意点
クラウドワークスとのNDA締結は、一度結ぶとクラウドワークス上では解除できません。あとから「やっぱりやめたい」と後悔しないためにも、内容をよく理解してから手続きを進めましょう。
📋 事前に準備しておくこと
クラウドワークスとNDAを結ぶには、本人確認が完了している必要があります。まだの方は、NDA締結の前に必ず本人確認を済ませておきましょう。
普段から秘密を守る意識を持つことが大切
実は、クラウドワークスを利用している時点で、規約「第21条 秘密情報の取り扱い」に基づき秘密を守る義務があります。
「NDAオプション」が付いていない普通の案件でも、お仕事で知った情報は外に漏らさないことを常に心がけましょう。これは基本中の基本ですが、とても大切なことです。
この意識を持っているだけで、トラブルを防ぐ助けになり、クライアントからの信頼につながることがあります。
クライアントとのNDA締結のやり方【安心して進める3つのポイント】
クラウドワークスでは、クライアントと個別にNDA(秘密保持契約書)を結ぶこともあります。
「契約するタイミングっていつ?」「安全なクライアントかどうか心配…」そんな不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
クラウドワークスでのクライアントとのNDAには、契約書の雛形が用意されています。実際の条項や書式の例は、公式FAQページで確認できます。
クライアントとのNDAは案件ごとの個別契約
クラウドワークスとのNDA(秘密保持契約)は全利用者が結べますが、クライアントとの個別NDAは少し違います。基本的に、本契約を結ぶ前の段階でクライアントから「この案件ではNDAを結んでください」と依頼されることが多いです。
クライアント独自の契約書には、「特記事項」の欄にそのクライアントならではの特別なルールが追加されていることもあります。たとえば、「この情報はとくに◯◯しないでください」といった細かい指示が書かれている場合もあるんです。
クラウドワークスとのNDAとクライアントとの個別のNDAは、前述したように別の契約です。違いをきちんと把握して、混同しないように注意してくださいね。
クライアントとのNDA締結も簡単3ステップ
クライアントとのNDA締結も、実は手続きはとってもシンプルです。本契約に進む前に、まずこのNDAを結んでから次のステップに進む流れになります。
ステップ1:契約画面を開く
リクエスト通知が届いたら、契約詳細画面を開きます。「秘密保持契約を確認する」ボタンが表示されるはずです。
ステップ2:契約内容をじっくり確認
ここが一番大切な部分です。秘密保持契約の内容を丁寧に読んでみましょう。特記事項にクライアント独自の条件が書かれている場合があるので、見落とさないよう注意してくださいね。
ステップ3:「同意する」ボタンをクリック
内容をしっかり理解して、問題ないと判断できたら「同意する」ボタンを押せば締結完了です。
⚠️ 大切な注意点
クライアントとのNDAも、一度同意してしまうと原則として取り消すことができません。「よく分からないけど、とりあえず同意しちゃえ」は危険です。内容をきちんと理解してから同意するようにしましょう。
クライアントとのNDA締結前に確認したい安全チェックポイント
クライアントとのNDAは案件ごとに内容が違うので、契約前に「このクライアントは信頼できるかな?」をしっかり見極めることがとても大切です。
「早く契約しなきゃ!」と焦って同意してしまうと、後々トラブルになることもあるので、少し時間をかけてでもチェックしておきましょう。
チェックしておきたいポイント
- 過去の実績と評価をチェック:そのクライアントの過去の発注実績や他のワーカーからの評価を確認してみましょう。評価が極端に低かったり、実績があまりにも少なすぎる場合は注意が必要かもしれません。
- 会社情報を調べてみる:会社名や所在地が分かる場合は、インターネットで検索してみるのもおすすめです。「本当に存在する会社なのか」「評判はどうなのか」を軽くチェックしておくと安心ですよ。
- 契約内容に無理はないか確認:お仕事に関係のない個人情報を求められていませんか?ワーカー側だけが不利になるような不自然な条項はありませんか?「ちょっと変だな」と感じたら、遠慮なく質問してみましょう。
- やりとりの雰囲気をチェック:質問に対する回答やレスポンスが誠実かどうかも大切な判断材料です。「今すぐ決めて!」と強引に急かしてくるクライアントには要注意です。
こういった小さなことを確認するだけで、リスクを減らす助けになりますよ。
⚠️ 危ない案件や不明瞭なクライアントには、応募・契約をしないことが安全性を高める選択です。NDAは「秘密を守る約束」ですが、同時に自分自身を守るためのチェックも欠かさないでくださいね。
個人情報の取り扱いについて
NDA(秘密保持契約)の締結するときには、本名や住所といった個人情報を相手に知らせる必要があります。「なぜこんな情報が必要なの?」と心配になる気持ち、とてもよくわかります。
個人情報は契約相手や責任をはっきりさせるために必要
NDA(秘密保持契約)を結ぶときに個人情報が必要な理由は、「契約相手は誰なのか」「なにかあったときに責任を取るのは誰か」を明確にするためです。
契約を実務上有効にするため、多くの場合、以下の情報を記載することが求められます。
- 本名(契約書に記載する正式な氏名)
- 住所(連絡先として)
- 連絡先(電話番号やメールアドレス)
クライアントの個人情報や責任も、契約書上で明記されていることが前提です。ワーカー側としても秘密保持契約書をもとに、信頼関係を結べる面もあるといえるでしょう。
💡クラウドワークスでは?
クラウドワークスでは、クライアント社とワーカーそれぞれの本名と住所が明記されます。契約書上でお互いに開示されますが、クラウドワークス上で公開されることはありません。
個人情報は適切に管理される
NDA(秘密保持契約)で提供するあなたの個人情報は、基本的にクライアント側で適切に管理され、契約に関する目的でのみ使用されることが前提です。契約の範囲を超えて利用されることは通常ありません。
また、クラウドワークスも個人情報の保護に力を入れており、情報漏洩を防ぐための仕組みが整っています。大手プラットフォームとして長年運営されているため、比較的安全に利用できる環境が整っているといえるでしょう。
不安なときは契約前に質問しよう!
それでも心配な場合は、契約前にクライアントに「個人情報はどのように管理されますか?」と遠慮なく質問してみましょう。信頼できるクライアントであれば、きちんと丁寧に説明してくれるはずです。
もしあいまいな回答しか返ってこない場合は、注意が必要かもしれません。自分から確認することで、不安な気持ちを和らげることができますよ。
NDA違反とは?具体的なリスクと注意点
NDA(秘密保持契約)を違反してしまった場合、思わぬトラブルにつながる可能性があります。たとえ軽い「うっかり」でも、契約違反として扱われることがありますので注意が必要です。
違反した場合に考えられるリスク
NDAに違反すると、まずクライアントから注意を受けることがあります。
軽微な場合は注意で済むこともありますが、重大な情報漏洩や不正利用があった場合には、損害賠償を請求されることもあります。
また、クラウドワークス上での評価に影響したり、契約が解除されたりする可能性もあるため、十分に注意しましょう。
クラウドワークス規約上の注意
クラウドワークスでは、利用規約の 第8条 本サービスの利用について および 第21条 秘密情報の取り扱い に、会員が守るべき秘密保持義務や違反時の責任が明記されています。
- 第8条では、秘密保持義務やその他の禁止事項に違反した場合、損害賠償を請求される可能性があることが記載されています。
- 第21条では、秘密情報の取り扱いや違反時の責任について詳しく規定されており、NDA違反は契約相手だけでなく、クラウドワークス運営にも影響する可能性があることを示しています。
規約を読むことで、どのような行為が禁止されているのか、違反した場合にどのような影響があるのかを自分で確認できるため、必ず目を通しておきましょう。
リスクを避けるための意識ポイント
違反リスクを避けるには、契約内容やクラウドワークス規約をしっかり理解することが大切です。
- 仕事で知った情報は契約の目的内でのみ使用する
- SNSやブログで公開したり、関係のない第三者に話したりしない
- 仕事で使用したデータやファイルは適切に管理し、業務終了後は不要なデータを削除する
日頃からこの意識を持つことで、NDA違反のリスクを最小限に抑えやすくなるでしょう。
よくある質問まとめ
Q: NDA締結にお金はかかりますか?
A: いいえ、クラウドワークス上でのNDA締結に費用はかかりません。クラウドワークス上での電子契約の場合、印紙代なども不要です。
Q: NDAを締結しない(未締結)とどうなる?
A: クラウドワークスでは、NDA締結のリクエストが届いた案件を未締結のままにすると、原則として本契約にすすめない仕組みになっています。
ただし、クラウドワークスのなかではNDA締結をはじめから求めないクライアントも数多く存在します。その場合は、未締結のまま本契約までいけますよ。
Q: NDAを断ることはできる?契約を拒否したい場合は?
A: 結論から言うと、NDAの締結を拒否することは可能です。契約は双方の合意で成り立つため、あなたには契約を断る権利があります。
NDAを断った場合、その案件やプロジェクトに参加できなくなる可能性は高くなるでしょう。しかし、不信な契約には「サインしない」という判断も間違いではありません。
Q: 一度締結したNDAは永続的に有効ですか?
A: 多くの場合、NDAはプロジェクト終了後も一定期間効力を持ちます。クラウドワークスの契約書の雛形では、契約終了後も第3条(秘密保持)、第4条(被開示者の責務)、第8条(損害賠償)などの重要条項は、契約終了から3年間有効に存続すると定められています。
つまり、プロジェクトが終わったとしても、受け取った情報を不用意に使ったり漏らしたりすると、契約違反となる可能性があります。
期限は契約書ごとに異なるので、必ず契約書を確認して、自分がどの期間まで秘密保持義務を負うのかを把握しておきましょう。
NDAはワーカーとクライアントを守る大切な約束
NDA(秘密保持契約)は、最初は難しく感じるかもしれませんが、実はあなたとクライアントを守る大切な約束事です。基本的なマナーを守り、常識的に行動していれば、何も恐れることはありません。
むしろNDAを理解し、積極的に締結できるようになることで、より信頼されるワーカーとして成長できます。今後クラウドワークスでお仕事をする際は、NDAを「面倒なもの」ではなく「プロとしてのステップアップの機会」として捉えてみてください。
不安なことがあれば、遠慮なくクライアントに質問しましょう。多くの場合、親切に教えてもらえるはずです。あなたのクラウドワークスでの活動が、より充実したものになることを応援しています!