在宅ワークを始めて、お金の管理が思ったより大変だなって感じていませんか?とくに税金のことって、なんとなく難しそうで後回しにしちゃいますよね。
私も在宅ワークを始めたころは、本当に何もわかりませんでした。しかし5回の確定申告を経験してみて、今では「あ、こんなものか」って思えています。最初は不安だらけでしたが、慣れてしまえば意外とスムーズにできるんです。
今回は、私の実体験をまじえながら、確定申告の基本的な流れや必要な書類について、できるだけわかりやすくお話ししますね。「何から始めたらいいの?」と迷っている方の参考になれば嬉しいです。
確定申告って結局何をすればいいの?【全体の流れ】
最初に、確定申告の全体的な流れをざっくりと理解しましょう。全体の流れがわかると、確定申告への不安が一気にグッと軽減されるでしょう。
確定申告と聞くと「うわ、面倒くさそう…」って思っちゃいますよね。でも実は、やることを整理すると4つのステップに分かれるんです。
【基本の4ステップ】
- 1年間の収入と支出をまとめる
- 必要な書類を集める
- 申告書を作る
- 税務署に提出する
「えっ、これだけ?」って思いませんか?もちろん、それぞれに細かいポイントはありますが、大枠はこの4つです。ひとつずつ見ていきましょう。
ステップ1:1年間のお金の出入りを整理する
まずは、1月1日から12月31日までの1年間で「いくら稼いだか」「何にお金を使ったか」を整理します。この整理する作業を「仕訳」といい、多少の簿記の知識が必要です。
帳簿ってなに?どこまで記録すればいい?
帳簿とは、簡単に言えば「お金の出入りを記録したノート」のようなものをいいます。「帳簿」なんて言うと難しく聞こえますが、要は家計簿みたいなものです。
在宅ワークなら、記録することは主に2つになります。
- 収入:クライアントからもらった報酬
- 経費:仕事で使ったお金(パソコン代、ネット代など)
国民年金や健康保険料などの控除に関わるお金は、書類をしっかり管理しておきましょう。帳簿に記録するというよりも、証明書類(支払証明書など)を申告時に添付したり、保存したりする形になります。
私も最初は「売上ってどこまで?」「これって経費になるの?」って迷いまくりでした。迷ったらとりあえず記録しておいて、後から見直して整理すれば大丈夫ですよ。
手書きでもいいけど、会計ソフトが本当に楽
手書きやExcel、Googleシートでも管理できますが、会計ソフトを使うと格段に楽になります。私も最初は「お金かかるし…」って思っていたんですが、使ってみると時間の節約になって結果的にお得でした。
会計ソフトは取引を入力するだけで、自動的に帳簿ができあがります。仕訳の種類など基本的な簿記の知識は必要となりますが、会計ソフトがガイドしてくれるので意外と簡単ですよ。
ステップ2:書類を集める
確定申告にはいろんな書類が必要で、「こんなにあるの?」と驚くかもしれません。しかし意外と手に入りやすいものばかりなので、安心して一緒に準備をはじめましょう。
よく使う基本の書類
- 支払調書:クライアントがくれることもありますが、必ずもらえるとは限りません
- 領収書・レシート:これが一番大事!紙でもデータでもOK
- 源泉徴収票:アルバイトもしている場合に必要
- 保険料の証明書:年末頃に郵送で届きます
- 医療費の領収書:医療費控除を受けたい場合
これらの書類をあらかじめしっかり揃えておくと、その後の申告書作成がスムーズになりますよ。提出直前に慌てないためにも、事前にチェックしておきましょう。
※なお、ここでいう確定申告で必要な「書類」とは、申告書を作成するために揃えておく書類のことで、必ずしもすべて提出するものではありません。
ちょっとしたコツ
レシートって、後から見ると「これ何に使ったっけ?」ってなりがちですよね。私は、レシートをもらったらすぐに裏に「〇〇用」ってメモするようにしています。これだけで後々の整理が格段に楽になります。
保存期間も大事
確定申告で使った書類の保存期間は以下の通りです。
- 白色申告:5年間保存
- 青色申告:帳簿書類は7年間、その他の書類は5年間保存
※一部の帳簿や書類は保存期間が異なる場合があります(例:棚卸表や売掛帳などの法定帳簿は7年保存など)。
税務署から「あの書類見せて」って言われることもあるので、年ごとにファイルを分けて保管しておくと安心です。
ステップ3:申告書を作る
さてここまできて、ようやく確定申告の申告書作りです。方法は3つありますが、初心者には最初の2つがおすすめですよ。
- 会計ソフトを使う
- 国税庁「確定申告書等作成コーナー」を使う
- 完全に手書きで作成する
詳しく説明してきますので、参考にしてくださいね。ナー」を活用する方法です。手書きの注意ポイントも含め、それぞれの特徴を見ていきましょう。
1. 会計ソフトを使う(一番楽)
普段から収入や経費を入力していれば、申告書が自動で作られます。税額の計算も自動なので、計算ミスの心配もありません。
私はマネーフォワードクラウドを使っていますが、本当に楽です。「え、もう申告書できちゃった」という感じで拍子抜けしました。
2. 国税庁のサイトを使う(無料)
「会計ソフトは使っていないけど、パソコンで作業したい」という人におすすめです。「確定申告書等作成コーナー」という国税庁のサイトから、申告書を無料で作れますよ。
無料で使えて、画面の指示に従って入力すれば申告書ができあがります。PDFでダウンロードして印刷もできますし、e-Taxでそのまま提出も可能であまり難しくありません。
国税庁 確定申告書等作成コーナー こちらから申告書を作成できます。
3. 手書き(上級者向け)
昔ながらの方法ですが、計算も記入も全部自分でやるので、かなり大変です。簿記の知識がない人にはおすすめしません。
申告書は自分でダウンロードして印刷するか、税務署で入手してください。ペンで記入しなくてはいけないので、手間もかなりかかります。
ステップ4:税務署に提出する
確定申告書が完成したら、次は提出です。提出方法にはオンラインで提出する「e-Tax」と、紙で税務署に提出する方法の2つがあります。どちらの方法を選ぶかは、あなたの状況や希望に応じて決めてください。
e-Tax(ネット提出)
自宅からネットで提出できるので超便利です。ただしマイナンバーカード方式を利用する場合は、マイナンバーカードが必要なので持っていない人は先に作っておきましょう。
自宅からネットで24時間提出できるのでとても便利です。利用するには事前準備が必要ですが、一度設定すれば来年からも楽になります。
<利用方法は2つから選択>
- マイナンバーカード方式
- マイナンバーカード + ICカードリーダライタ(またはスマホ)
- セキュリティが高く、本格的な利用が可能
- ID・パスワード方式
- 税務署で事前に本人確認を受けてID・パスワードを取得
- マイナンバーカードがなくても利用OK
<提出の流れ>
- 事前準備(マイナンバーカード取得 or ID・パスワード取得)
- e-Taxにログイン → 申告書を送信
- 電子署名(マイナンバーカード方式の場合)を付けて送信
- 受信通知を受け取って完了(この通知は必ず保存しましょう)
紙で提出 – 確実だけど手間
もしe-Taxを使わない場合や、少し手間ですが紙で提出もできるので心配ありませんよ。
<持参する場合>
- 申告書を印刷し、必要書類を添付
- 最寄りの税務署に直接持参
- 受付で確認してもらえるので安心
<郵送する場合>
- 同じく印刷・添付して郵送
- 提出期限に間に合うよう余裕を持って発送
提出期限は3月15日まで
毎年2月16日から3月15日(※その年のカレンダーにより前後あり)が提出期間です。この期間内に、e-Taxでの提出、または郵送・窓口での提出を完了させましょう。
期限を過ぎると延滞税がかかっちゃうので、早めに準備してくださいね。
なぜ在宅ワークには確定申告が必要なの?
会社員なら年末調整があるので、会社が税金の手続きをしてくれますよね。でも在宅ワーカーは、自分でやらなきゃいけません。
しかしなかには、「私は在宅ワークだけで生活しているけど、申告って必要なの?」「副業として少しだけやっている場合は?」といった混乱をおこす人もいるかと思います。ここからは、申告が必要になる「働き方」や「金額の目安」について詳しく見ていきましょう。
副業と専業、何が違うの?
確定申告のルールは、働き方によって変わります。
ここでいう専業とは、在宅ワークが主な収入源で、フリーランスや個人事業主として在宅ワークを行う働き方です。副業は本業の会社員などを続けながら、休日や夜に活動している状態をいいます。
この違いによって、税務上の扱いが変わってくるので、自分がどちらなのかははっきりさせておきましょう。
いくら稼いだら申告が必要?
専業の場合
専業の場合は、基礎控除額を超える所得があると申告が必要です。基礎控除は多くの人で48万円ですが、高所得の場合は控除額が減る仕組みです。最新の控除額は国税庁のサイトで確認しましょう。
つまり、年間の所得が基礎控除額以下なら税金はかからないということになります。とくに「収入」と「所得」の違いに注意してください。私も最初混乱しました。
- 収入:お客さんからもらった金額の合計
- 所得:収入から経費を引いた金額
ですので、年間100万円稼いでも、経費が60万円かかっていれば所得は40万円です。基礎控除が48万円の専業の場合、これは48万円以下なので申告不要ということになります。
副業の場合
年末調整を受けている会社員は、副業など給与以外の所得が年間20万円以下なら確定申告は不要です(所得税の場合)。ただし、医療費控除などで申告する場合は、別途申告が必要になることがあります。
例えば:
- 副業で30万円の報酬をもらった
- パソコン代やネット代で8万円使った
- 所得 = 30万円 – 8万円 = 22万円
この場合、20万円を超えているので申告が必要になります。
この20万円のルールは所得税の確定申告についてのもので、住民税については金額に関わらず申告が必要です。副業収入がある場合は、お住まいの自治体にも住民税の申告を忘れないようにしましょう。
青色申告と白色申告、どっちにする?【在宅ワーカー向け】
確定申告には「白色申告」と「青色申告」があります。名前だけ聞くと「どっちがいいの?」って迷いますよね。
主な違い【メリット・デメリット比較】
比較項目 | 白色申告 | 青色申告 |
開業届の提出 | 不要 | 開業届と青色申告承認申請書の提出が必要 |
申告の手間 | 少ない(簡易な帳簿) | やや多い(複式簿記が必要) |
控除額 | 基本なし | 最大65万円の控除(条件あり) |
赤字の繰越 | できない | 最大3年間可能 |
家族への給与(専従者控除) | 上限あり・少額 | 条件を満たせば全額控除可能 |
会計ソフトとの相性 | △ | ◎(ソフトで簡単に複式簿記が可能) |
白色申告は簡単ですが、税制上の優遇はあまりありません。
一方、青色申告はちょっと手間ですが、最大65万円の特別控除が受けられるなど、節税効果が大きいのが魅力です(複式簿記での記帳や期限内申告などの条件あり)。
初心者はどっちを選べばいい?
「青色は難しそう…」って思うかもしれませんが、会計ソフトを使えば意外と簡単です。私も最初は「無理かも」って思いましたが、やってみたら案外できました。
収入が少ないうちは白色でも十分ですが、本格的に在宅ワークを続けるつもりなら、早めに青色に慣れておくのもありだと思います。
青色申告を始める場合は、開業届と併せて「青色申告承認申請書」の提出も必要です。新しく事業を始めた場合は開始日から2か月以内、すでに事業をしていて切り替える場合は3月15日までに税務署に出すようにしてくださいね
在宅ワークでよくある確定申告のミスと対策
確定申告は一度やると慣れてきますが、初心者のうちはよくあるミスを犯しがち。以下の3つのミスとその対策を覚えて、スムーズな申告を目指しましょう。
経費を忘れがち
在宅ワークで使うお金って、意外とたくさん経費になるんです。ネット代、電話代、パソコン代、文房具代、それに家賃の一部も経費になることがあります。
対策: とりあえず仕事に関係ありそうなものは全部記録しておきましょう。レシートは絶対に捨てちゃダメです。
副業とごちゃ混ぜ
アルバイトと在宅ワークの両方をしていると、収入がごちゃ混ぜになりがちです。
対策: 最初から別々に管理しておくと楽です。給与所得(アルバイト)と事業所得(在宅ワーク)は税務上の扱いが違うので、しっかり分けておきましょう。
期限ギリギリで焦る
これ、本当によくあります。私も2回目の申告のときは3月14日になって慌てました。
対策: 1月中に書類を整えて、2月には申告書を作り始めるくらいの余裕があると安心です。
確定申告後はどうなるの?
申告が終わったら、あとは結果を待つだけです。税金を払いすぎて還付金がある場合、振込時期は申告方法によって異なります。
- e-Taxで申告:概ね2〜3週間後に指定口座へ振込
- 書面で申告:おおよそ1ヶ月〜1ヶ月半後に振込
私も毎年ちょっとずつですが戻ってきて、ちょっとしたお小遣いになって嬉しかったです。逆に税金が足りず追加で税金を払う場合は、3月15日までに納税する必要があります。銀行やコンビニでも払えるので、そこまで面倒ではありませんよ。
確定申告は早めの準備がカギ!
確定申告って最初は「難しそう…」って思いますが、一度やってみると「なんだ、こんなものか」という感じになります。
大切なのは、
- 日頃からお金の出入りを記録しておく
- 領収書やレシートをきちんと保管する
- 早めに準備を始める
- 分からないことは税理士さんや税務署に聞く
私も最初は本当に何もわからなくて、税務署に電話して「すみません、本当に基本的なことなんですが…」って聞いたこともあります。でも、みなさん親切に教えてくれました。
在宅ワークは自由度が高くて魅力的な働き方ですが、税金のことも含めて自分で管理していく必要があります。確定申告をきちんとクリアして、安心して在宅ワークライフを楽しんでくださいね。
参考・引用・脚注
- 国税庁「確定申告書等作成コーナー」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei.htm - 国税庁「確定申告が必要な方」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2019/pdf/01.pdf - 国税庁「青色申告のメリット」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/blue/index.htm - 国税庁「e-Taxの利用方法」
https://www.e-tax.nta.go.jp/ - 総務省「マイナンバーカードについて」
https://www.soumu.go.jp/kojinbango_card/ - 厚生労働省「確定申告に必要な書類と保存期間」
https://www.mhlw.go.jp/content/000567298.pdf